後継者育成がスタートできない「呪縛」から解放されよう!


後継者育成のスタートが切れない?


『中小企業白書(2019)』に興味深いデータがあります。


「事業を引き継いだ際に問題になったこと」という統計をとったところ、

1位が「引継ぎまでの準備期間が不足」という結果でした。


一般的に問題視されているのは税金対策や株の贈与の方法などです。

しかし、それら具体的な課題ではなく「時間」という全体を包括する課題が1位でした。


実際、後継者育成や事業承継の依頼の多くは、事業の引継ぎまでタイムリミットが残り僅かなケースが多いです。


ここから考えられるのは「後継者育成や事業承継の準備を後回しにしているのではないか?」ということです。




みんな後回しにしている?


もうひとつ面白いデータをご紹介します。


「経営者の年代別に見た、後継者候補がいない企業の状況(中小企業白書2019より)」によりますと以下のようになります。


【後継者候補を探していない経営者】

 50〜59歳:約70%

 60〜69歳:約50%

 70歳以上:約30%


60、70歳代になっても「後継者候補を探す時期ではない」と回答されている方は、ちょっとのんびり構えすぎではないでしょうか!?一体いつになったらスタートを切るのでしょうか?


しかし、ここに該当する経営者の方々を責めるのは待ってください。

ここには「スタートを切れない呪縛」が隠されているのです。





後継者育成を始められない呪縛


世界の創業200年を超える老舗企業のうち65%を日本企業が占めていると言われています。

その老舗企業の多くが一般企業よりも優良なために、世界の経営研究者から熱い注目を浴びています。


それにも関わらず、上記のように日本は事業承継が問題になっています。

それはなぜでしょうか?


答えは「戦後復興における同族経営、新規事業承継のタブー視」にあります。


「同族企業」「親族内承継」と聞くとどのような印象を抱かれるでしょうか?

おそらくネガティブな印象を抱くのではないでしょうか?

これが「後継者育成のスタートを切れない呪縛」です。


私たちは後継者を育てようと考えたときに、まず子供を後継者候補として考えます。

しかし「同族企業」「親族内承継」にネガティブな印象が呪縛のように植え付けられているうえに、昨今では「子供には自由な選択をさせるべきだ」という社会の風潮があり、ここで一度経営者の後継者育成の歩みを止められます。


日本の老舗企業を見てみると「同族企業」で「親族内承継」を行い、100年200年を超える企業として存続してきました。彼らは先代から教わった後継者育成術を代々受け継いで、自分自身がある程度の年齢になったら、先代と同じように後継者を育成し始めます。そして、親族内承継に躊躇いがありません。




まずは「後継者候補に相談する」こと


後継者候補は、経営者からの言葉を待っている場合があります。


後継者候補が実子であろうと、婿養子であろうと、従業員であろうと、社外の有力者であろうと関係はありません。まずは「ウチの会社を引き継ぐ気はないかい?」と切り出してみてください。相談ベースで大丈夫です。お酒の席でも大丈夫です。


はじめは「ちょっと考えさせてください」と言うかもしれません。

実子の場合、気持ちが決まるのが5年後や10年後というのはよくあることです。


「自分の会社なんて大したことがない」と仰る経営者がいます。

それは大きな誤りです。

あなたの会社が10年続いてきたならば上位6%の企業です。

20年続いてきたならば上位0.3%の企業です。

奇跡的な実力を持った企業であることに自信を持って後継者候補に相談してみてください。